JOURNAL

Warmth of Handmade
JOURNAL #11
DATE : Dec 03, 2018
SCROLL
JOURNAL #11 Dec 03, 2018

Warmth of Handmade

- ぬくもりあるジュエリー -
<AFTER SHAVE CLUB(アフターシェイブクラブ)>の関千絵美さん。実家が理容室だったことから命名したブランドで、ハンドメイドのジュエリーを作っている。ハンドメイドならではのジュエリーが持つ絶妙な味と、ひとつひとつ違う着けたときの感覚に定評がある。
text:Yumiko Sakuma
photo:Naoko Maeda
「ワックスで型を手で作り、それを金属を使って鋳造(キャスティング)したものを、蝋付けで組み合わせたり傷をつけるなどして、手でテクスチャーの仕上げをしています。ジュエリーは使っていると絶対に傷がつく。傷が目立つのが嫌だから、傷がついても目立たないように作りたいんです」
ジュエリー作りを目指して
ニューヨークに来たわけではない
「東京では、平面で出力するデザインの仕事をしていたのですが、10年の節目に1年くらい仕事を休みたいな、と語学学校に通うつもりでニューヨークに来ました。でも半年くらいゆっくりしたら飽きてしまって、ジュエリーのクラスを取ったらはまってしまって......。すぐに『いける!』って思いました。作るという作業が楽しくなってしまったんです。ジュエリーの世界では、頭にあるものを平面に落として地道に絵を描いてから形にする、というやり方が主流なんですが、私はそれができない。だから四角いものから削りながら作っていく、というやり方をとっています」
偶発的に出会った職業だったが、
魅力を感じるポイントは多かった
「ものづくりの世界って、自分の手で1から10までできることってあまりない。ジュエリーも、すべては自分でできないけれど、"手を動かすことが生きるところ"が好きなんです。ひとつの素材をなんでも溶かして使うことができるから、素材を大切にできる、というところも気に入りました」 型作りはマンハッタンのスタジオで、最後の仕上げはブルックリンの自宅でやるため、小さな道具箱を持って、2箇所を往復している。
「道具が少ないし、大きなスペースも必要ない。この仕事だったらどこに行ってもできるな、ということもジュエリー作りに決めた理由のひとつでした」 ニューヨークでやっていて良いなと思うのは、クリエイティブな顧客から刺激をもらえること。 「スタジオ兼アパートに来てくれるアーティストやミュージシャンは、ジュエリーの付け方や求める商品が独特で、新鮮です。そういう作品は、作り手にとっては作る喜びが大きいんです」
シーズンごとに展開する方法ではなく、商品展開を増やす方法で、オーダーが入った分だけ作るやり方をしている。今、型数は約200にのぼる。 「昔作っていた作品を嫌になったわけではないので、作り続けたい。テイストは維持しながら、組み合わせたらまた新鮮に見えたりするようなものを作りたいんです」 千絵美さんは、ジュエリーのことを「この人」「あの人」と呼ぶ。 「物だとは思ってるし、人だとは思ってない(笑)。でもやっぱり愛着はあるから、自然に『人』って言っちゃうんでしょうね」

Information
AFTER SHAVE CLUB MORE VARIATION

12月1日(土)から25日(火)まで「Pilgrim Surf+Supply」にて、通常取り扱いのないコレクションや過去のコレクションなどから約25型を厳選したモアバリエーションを開催中。NYらしいエッジの効いたソリッドなデザインながらも、ハンドメイド仕上げならではの<AFTER SHAVE CLUB>のジュエリーにご期待ください。

MORE INFO.

SHARE ON