〈ピルグリム サーフ+サプライ〉が似合う人、
それは知的で自然体、
それぞれのフィールドで自分らしさを貫く、
凛とした女性たち。
今回は4人の女性に
最新コレクションの気になるアイテムを、
日常の中で着こなしてもらった。
ファッションのプロが選ぶ、私的な
お気に入りアイテムや
渋谷店でのリアルなショッピング体験とともに、
様々な角度から、ブランドの魅力を読み解きます。
WOMEN WITH PILGRIM SURF+SUPPLY
女優
小島聖
とピルグリム サーフ+サプライ
日常の延長線上で服を選ぶ、
それが自分だけの
心地よさに繋がる。女優としてキャリアを積み、プライベートでは本格的な登山や旅を楽しむ。2019年3月に出版された初のエッセイ『野生のベリージャム』では世界中を旅をしながら食べたご飯のエピソードを綴った。
「仕事と子育てを両立する生活の中で、一人の時間を作ることはとても大切だと感じます。今はなかなか遠出ができず登山や旅が恋しいですが、子どもを幼稚園に送った後のジョギングで、自分の体と心に向き合っています。最近は画家の平松麻さんと二人でオリジナルの紙芝居“おもいつきの声と色”を作ったり、本の出版に向けて原稿を書いたりする時間も楽しいです。出産後も、コロナを経てからも自分のファッションスタイルに大きな変化はありません。今日選んだ服は優しい色合いが好きです。マキシ丈スカートも脚さばきがよく、着ていて気持ちがいいです。」
素肌に着る夏のニットトップスが注目されるこの春、ユニークな編み地とシックな色合いのノースリーブニットは日常で旬を感じられるアイテムのひとつ。福島の会津木綿生地を取り入れたマキシ丈スカートを合わせた、心地よく、エレガントな着こなし。WOMEN WITH PILGRIM SURF+SUPPLY
モデル
KASUMI
とピルグリム サーフ+サプライ
気負わずに羽織れる
メンズサイズのフーディーは
私の定番。秋田出身、東京を拠点として活躍するモデルのKASUMI。ロンドンに活動の場を移し、ハイブランドのファッションショーに次々と出演したこともあるが、東京ではのんびりとした風情の世田谷エリアに住居を構え、自分のペースで地に足のついた生活を送っている。今は、夫と昨年生まれた娘との3人暮らし。
「穏やかで喧騒から一呼吸置いた世田谷の土地がとても好きです。家族で散歩したり、美味しいパン屋やお菓子屋を覗いたりする時間も楽しいです。新生児の娘がいるから目一杯お洒落をする! という日常からは離れていますが、古着やメンズサイズのカジュアルなアイテムなど自分がずっと変わらずに好きなアイテムを着ています。〈Pilgrim Surf+Supply〉らしいフーディも、ざっくりと着こなしたくて、メンズサイズを選びました。」
ユニセックス展開のメキシカンフーディーが主役。重厚感のあるシルエットながらもポリエステル原糸を使うことで程よい弾力性と軽量性を両立させたもの。“ボタニカルダイ”と呼ばれる天然の染料を使用した優しい色合いのTシャツドレス、私物のブルーデニムを重ねた春のカジュアルなレイヤードスタイル。足元は爽快なパープルの〈VANS〉をチョイス。WOMEN WITH PILGRIM SURF+SUPPLY
BLAST Inc.代表
石井リナ
とピルグリム サーフ+サプライ
今は肩肘張らずに着こなせる、
心地よいファッションが主流。“女性をエンパワーする”ことをコンセプトに掲げ、ウェブメディア『BLAST』や、話題の生理用品ブランド〈Nagi〉を世に送り出した石井リナさん。その勇気ある言動や行動力が常に注目の的だ。
「おかげさまで〈Nagi〉は予想を大きく上回る反響をいただきました。新しいサイズを展開したり、学割をスタートしたりとさらなる広がりを見せていますが、女性の煩わしさを軽減するためにできることはきっとまだまだあると思います。最近、オフィスも自宅も代々木公園の近くに引っ越したばかり。忙しい日々が続きますが、週末はしっかりと休みを取ることも心がけています。ファッションはコロナ以降、ますます気張らず着られる楽なアイテムを好むようになり、メイクもほとんどしなくなりました。チェックシャツはさらりとした素材と軽さがすごく気持ちいい。自転車移動が増えたのでスカートよりパンツが生活しやすく、今の自分にも合っていると感じます。」
なめらかな肌触りのチェックシャツは再生繊維のキュプラ素材を採用。国内有数の綿織り物産地である兵庫県西脇市のドビー織機で丁寧に織られたもの。ナチュラルな風合いが魅力のリネンワイドパンツ、素足にサンダルとリラックス気分でスタイリング。WOMEN WITH PILGRIM SURF+SUPPLY
モデル、bbnf_tokyo主宰
三井麻央
とピルグリム サーフ+サプライ
シックなモノトーンスタイルも、
自分らしく自然体で。10代の頃からモデル活動を続け、2019年にはケータリングサービス〈BAD BAD NOT FOOD〉をスタート。フルマラソンに何度も挑戦するなど、そのヘルシーでアクティブなライフスタイルは注目の的。
「今はケータリングの仕事に力を入れています。大会には出られていませんが、ランニングは日課として続けていますね。〈Pilgrim Surf+Supply〉は本国のN.Y.のイメージが強いですが、日本の素晴らしい技術による再生ウールを使用するなど、独自のサステナブルな取り組みも素敵ですね。今日は大好きな公園で自然体でいられるような素材やカラーをチョイスしました。シルエットが大人っぽく綺麗なので、都会的にも着こなせるところも気に入っています。」
フロントにスリットの入ったスタンドカラーのブラウスはワイドな袖幅と短めの着丈がポイント。綿麻素材のメンズライクなワークパンツと合わせた、軽快で知的なモノトーンスタイル。
WOMEN WITH PILGRIM SURF+SUPPLY
スタイリスト・金子夏子が選ぶ
ピルグリム サーフ+サプライの名品
パリコレの取材から本格的な登山まで。スタイリスト金子夏子さんの仕事も遊びもとことん楽しむ姿は、まさにブランドが持つ理想の女性像そのものだ。
「〈ピルグリム サーフ+サプライ〉は日常と自然を地続きで楽しめるブランドというイメージ。世の中にある
アウトドアアイテムは日常で使うことは難しいというものが多い中で、これなら普段使いしてもいいよねと思えるかわいいアイテムが揃っている。どちらでも使える楽しさ、理にかなったデザインが魅力ですね。」
長年にわたり、日本のモード雑誌や広告の第一線で活躍するセンスと幅広い知識による確かな審美眼を持つからこそ、金子さんが選ぶものにはいつも説得力がある。2021年の春夏シーズンに店頭に並んでいるウエアから雑貨まで幅広い品揃えの中から、個人的に欲しいと思うアイテムを聞いた。
オールインワン
リラックスして着られるのがいいですよね。部屋からそのまま外にも出られるし、水着の上に着るのもいいし、オールマイティに楽しめる。境界線のない服だと思います。
ボーダーカットソー
今はオーバーサイズで着たい気分だから、あえてメンズサイズで。自然を感じることは穏やかな時間につながります。だから洋服もリラックスしたものを選びがちなのかも。ゆったりしたサイズ感で、袖を捲って着たいです。
スイムウェア
そもそも水着が好きなんです。ピルグリム サーフ+サプライは1年中お店に置いてあり、チョイスの幅も広いのは嬉しいですね。この水着は装飾がなくてレトロなところ、ブラパットなしでフラットに楽しめるところがいい。
アンダーウェア
締め付けるところがない下着というのもリラックス気分につながりますよね。色も形も素敵で、特にブラは夏の装いでストラップが見えてもかわいいと思います。
ブランケット
自然の中で遊んでいるとブランケットは季節問わずに重宝しますし、家の中でも便利なんです。小さい子供が遊びに来た時に敷いたりすることも。これは柄も可愛くて軽い。付属の袋がついているので気軽に持ち運べるのも嬉しいですね。
サンダル
〈ユッタ ニューマン ニューヨーク〉のサンダルは、実際に10年以上愛用中です。普遍的なデザインで丈夫、カジュアルになりすぎずに履けておしゃれに見える。まさに逸品ですね。
タープバッグ
丈夫で水にも強いタープバッグは、車で遊びに行くことが多い私にとってはとても便利なアイテム。キャンプ道具や洋服、なんでも無造作に入れられるんです。スキーブーツを濡れたままでいれても安心だし、ウェットスーツを洗う人もいますね。
防水ハードケース
〈ペリカン〉の小型防水ハードケースは、水遊びをするときに携帯や貴重品など濡らしたくない大事なものを入れておけて便利です。
サングラス
夏の必需品ですよね。シックなデザインで、街でも山でも海でも使えるのでひとつ持っておくと安心です。
サニタイザー
こんな時代だから、ハンドスプレーは常にバッグの中に入れています。どうせならパッケージも可愛くて、香りのいいものを持ち歩きたいですね。
WOMEN WITH PILGRIM SURF+SUPPLY
編集者・渡部かおりの買い物体験記
“愛する渋谷店、楽しみな京都店”
ファッションの分野を中心に編集者として働いているため、仕事でもプライベートでも、日本はもちろん、世界各国のたくさんのショップを訪れる。その中でも渋谷の神南エリアに佇む〈ピルグリム サーフ+サプライ〉渋谷店は特に好きな場所で、仕事帰りに、近くまで来たついでにと、ついつい立ち寄ってしまう。今回は、1人のファンとして、改めてその理由を分析してみた。
まず頭に浮かんだのは、心地よく開放的な空間。ナチュラルな木床(ウッドデッキもある)に大小様々な観葉植物やレコード棚などが配置されたショップ内には、オリジナルウエアにセレクトアイテム、アウトドアもの、小粋な雑貨やアクセサリーがそっと置いてある。この“そっと置いてある”感が好きだ。買い物を即するような動線もなければ、敷居の高いモード感もない。ショップスタッフの皆さんも適度な距離感でいてくれるから、ゆるゆるとした気持ちになってじっくり見て回ることができ、気がつけばいつも長居してしまう。そうしてこれまでに買ったものはセレクトもののオールインワンにサマードレス、メンズサイズのオリジナルTシャツに〈VANS〉の別注スニーカー、下着、お香立てと色々あるが、どれも長く、長く愛用している。それは、渋谷店独特の心地よさの中で、自分の生き方と生活に合ったものをじっくりと選ぶことができたからに他ならない。個人的な見解だけれど、渋谷店は、センスのいいファッションと日常が地続きにあるサンフランシスコの街のようで、旅が恋しい今は、ちょっとした旅気分を味わえるムードも好きだ。
もうひとつの理由は、なんといっても働いているショップスタッフの皆さんにある。言葉を交わさずとも、佇まいや着こなしから〈ピルグリム サーフ+サプライ〉をとても愛していることが見て取れる。ファッションを表面的になぞるのではなく、自分の生活や趣味に基づいたスタイルをそれぞれが持っている姿には好感が持てるし、憧れる。“装うことは自分らしく生きること”というのが私のファッションにおける大切な持論で、ここに来るとそれを深く証明できることも嬉しい。ついこの前も女性スタッフの赤茶色のセットアップに白のロンT、足元はスニーカーというスタイリングが、気負いがないのにとびきりカッコよくて、ついついその場で私も取り寄せてもらって購入したばかりだ(また増えた!)。
コロナ以後、ファッションのローカリズム化はますます進む。本国による毎シーズンのテーマやコンセプトはあれど、それぞれの土地でそこに住む人々が自由な解釈で楽しむことがなにより大切で面白いことになってくる。だから、確固たるコミュニティを築いている〈ピルグリム サーフ+サプライ〉は強い。強くて、楽しい。今は、コロナが落ち着いたら、昨年オープンした京都店に行けることを心待ちにしている。渋谷店とは違う空間と魅力があり、人がいて、きっとまた私は京都店だからこそのお買い物を存分に楽しむはずだから。
( staff )
Photography Kensuke_Ido / Maiko_Morita
Web Design & Development : past inc.
Edit & Writing Kaori_Watanabe(FW)
*表示価格は全て税込です。
ピルグリム サーフ+サプライを着る、女性たち。